北の国の雪景色の中で根を下ろす──国立大学の卒業生による北海道での新生活


日本最北端に位置する北海道は、雄大な自然とはっきりとした四季で知られている。春には花々が咲き始め、夏には涼しい風が吹き抜け、秋には果てしなく続く紅葉が広がり、冬には銀世界の広大な景色が広がる。

これらがこの地を形づくってきた。札幌の近代的な都市の雰囲気、小樽のノスタルジックな港町、函館の歴史が息づく光景──いずれも北海道が世界中の人々を魅了し続ける、飾らない魅力そのものである。


今号の特集では、武蔵浦和日本語学院の卒業生の一人に焦点を当て、彼がどのようにこの北の大地で新たな生活のリズムと成長の方向性を見いだしたのか、その物語に耳を傾ける。


01|北の国の第一印象

静かな街で見つけた、しっかりとした拠り所

北海道に来てまず彼が感じたのは、この広い北海道の中に佇む“小さな街”ならではの落ち着きとゆったりとした空気だった。

「街は大きくないけれど、生活に必要なものは全部そろっています。ゆっくりしたペースだけど、安心できるんです。」

と彼は振り返る。異国での生活に慣れるまでのあの時期を支えてくれたのは、まさにその“ちょうどいい静けさ”だった。

大学の学びの環境も、彼に思いがけない安心感を与えてくれた。

「最近雪が降って、とても寒いんです。でも先生はとても優しいんです。」

整った授業、親切で根気強い先生、誠実で温かいクラスメイト——

そのすべてが、彼を新しい学びの場所へと自然に溶け込ませてくれた。


02|四季の中で暮らす

気温と色彩が、時の流れを教えてくれる

北海道の四季の移ろいはとてもはっきりしている。春の暖かさ、夏の涼しさ、秋の紅葉、冬の雪景色──それぞれの季節がまったく異なる表情を見せてくれる。


彼はこう語った。最初は、ここの冬の寒さにかなりプレッシャーを感じていたが、時間が経つにつれて、雪景色がもたらす静けさをむしろ好きになっていったという。

「雪が街全体をやわらかく包み込むんです。キャンパスの道を歩いたり、街中からゆっくり家へ帰ったりすると、自分の足音が聞こえてきて、生活のリズムが少しずつ落ち着いていくのを感じられるんですよ。」

季節そのものが、彼の気持ちを整えるひとつの要素になっていた。


03| これまでの道のりを振り返る

武蔵浦和日本語学院は、安心できる出発点

留学への出発点について語るとき、彼は特に武蔵浦和日本語学院が与えてくれた支えに触れた。

「あの時期が、本当に基礎を築く助けになりました。言語だけでなく、心の準備もです。武蔵浦和日本語学院のサポートのおかげで、慣れない環境の中で少しずつ自分の方向性を見つけることができ、大学生活へのスムーズな移行が可能になりました。」

彼にとって、武蔵浦和日本語学院での学びは単なる学習体験ではなく、「日本に来ること」と「真の留学生になること」をつなぐ架け橋のような、重要な一歩であった。

04|自分らしいペースをつかむ

現在、彼はすでに北海道での生活の中で自分のペースをつかんでいる。

「12月8日に徳島に行って学会で論文発表をしますが、今も学会用の論文内容を修正しています。」

「この土地には独特の力があって、少しずつ心を落ち着けることができるんです。」と彼は語る。
「今の生活はとても安定していて、充実しています。」

インタビューの最後に、彼は武蔵浦和日本語学院への心からの感謝を述べ、未来に向けて静かで確かな期待を抱いていることも語った。
「武蔵浦和日本語学院がますます発展し、多くの人材を輩出することを願っています。」